
【初心者でも安心】フィリピン人材採用の鍵!
MWO申請を3ステップで完全攻略ガイド(2025年最新版)
「フィリピンから優秀な人材を迎えたい!」
そうお考えの企業の経営者様、人事担当者様へ。
実は、フィリピン人材の採用には、避けては通れない非常に重要な手続きがあります。それが「MWO(エムダブリューオー)申請」です。
「何だか難しそう…」「書類が多くて大変そう…」と感じるかもしれませんが、ご安心ください。
この記事では、初めてフィリピン人材の採用に携わる方でも、MWO申請の全体像をスムーズに理解し、何をすべきかが明確になるよう、3つのステップで徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、MWO申請への不安が解消され、自信を持って採用活動を進められるようになっているはずです。
まず結論:なぜMWO申請はこんなに重要?
MWO申請がなぜこれほど重要視されるのか?それは、フィリピンという国が、海外で働く自国民を非常に大切にしているからです。
MWO(Migrant Workers Office:移民労働者事務所)は、日本の「駐日フィリピン共和国大使館」内に設置された、フィリピン政府の公的機関です。かつては「POLO(ポロ)」と呼ばれていました。
彼らの最大の使命は、「フィリピン国民が、海外で不当な労働条件や低賃金で働かされることがないように、雇用契約の内容を厳しくチェックし、労働者の権利を守ること」です。
つまり、MWO申請とは、私たちがフィリピン人材を雇用するための単なる手続きではありません。
「私たちは、あなたの国の大切な国民を、誠意を持って大切に迎えます」という、企業からフィリピン政府への“約束の証”なのです。このプロセスを正しく理解し、丁寧に進めることが、信頼関係を築き、採用を成功させるための第一歩となります。
採用成功へのロードマップ!MWO申請の全手順
それでは、具体的な手順を見ていきましょう。MWO申請のプロセスは、大きく分けて3つのステップで進みます。
Step 1:【フィリピンでの準備】信頼できるパートナーを見つける
まず最初に行うべきは、フィリピン現地でのパートナー選びです。
フィリピン政府が公式に認めた「認定送出機関(PRA:Philippine Recruitment Agency)」と協力協定(Recruitment Agreement)を結ぶ必要があります。
これは、日本企業が直接フィリピン国内で求人活動をすることを禁止し、必ず政府公認の機関を通すことで、悪質なブローカーから労働者を守るためのルールです。
▼ここがポイント!
- 必ずフィリピン政府(DMW)のリストに掲載されている正規の機関を選びましょう。
- 協定書は英語で作成し、手数料や双方の役割を明確に記載します。
- 信頼できる送出機関は、後の手続きでも心強い味方になってくれます。
Step 2:【日本側での手続き】認定送出機関と協定を結び、公証役場で認証する
次に、日本側での手続きです。
信頼できる認定送出機関とを見つけたら協定を結びます。「協定書」はMWOのホームページに雛形がありますので、雛形をベースに作成していきます。
作成した協定書を日本の公証役場にて認証手続きを行います。これは、「主に私文書の署名や記名押印の真正を公証人が証明する手続きです。これにより、文書の作成名義人によるものであることが公的に証明される」という、文書の信頼性が高まります。
この証明書がないと、後のMWO申請やDMW申請に進むことができません。
Step 3:【いよいよ本番】MWOへの申請と承認
Step 1とStep 2が完了したら、いよいよMWOへ申請書類を提出します。
2025年現在、申請は郵送を通じて行うのが主流となっています。
提出された書類はMWOによって厳しく審査され、雇用条件がフィリピンの基準を満たしているか、企業の受け入れ体制は万全かなどがチェックされます。
必要に応じて、企業の担当者がMWOに呼ばれ、英語での面接が行われることもあります。
この審査を無事に通過し、承認を得ることで、初めてフィリピン人材を日本に呼び寄せるための最終手続きに進むことができるのです。
これで完璧!MWO申請の必要書類チェックリスト
MWO申請で最も重要かつ大変なのが、書類準備です。特に、多くの書類で英訳が必須となる点に注意が必要です。
下記に主要な書類をまとめましたので、チェックリストとしてご活用ください。
書類名 (日本語) | 書類名 (英語) | ポイント・注意点 |
---|---|---|
雇用契約書 | Employment Contract | 給与、労働時間、休日などの条件がフィリピンの基準を満たしているかが最重要。英訳必須。 |
求人票 | Job Order / Manpower Request | 募集する職種、人数、資格要件などを明記。英訳必須。 |
協力協定書 | Recruitment Agreement | Step1で締結した認定送出機関との協定書。 |
会社の登記簿謄本 | Company Registration | 3ヶ月以内に発行されたもの。英訳必須。 |
会社の財務諸表 | Financial Statements | 直近の決算書(貸借対照表、損益計算書)。英訳必須。 |
会社のパンフレット等 | Company Brochure | 事業内容がわかる資料。英語版があれば理想的。 |
身分証明書 | ID of Company Representative | 会社の代表者(または署名者)のパスポートや在留カードのコピー。 |
※上記は一例です。申請する在留資格や分野、企業の状況によって、追加の書類を求められる場合があります。
ひとりで悩まないで!専門家の力を借りよう
「手続きが複雑すぎる」「書類の英訳なんてできない」
そう感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時に頼りになるのが「登録支援機関」です。
登録支援機関は、特定技能外国人の受け入れに関する専門家集団。煩雑な書類作成のサポートはもちろん、採用後の生活支援まで、企業と外国人材の双方をトータルでサポートしてくれる心強いパートナーです。
支援項目 | 具体的なサポート内容 |
---|---|
事前ガイダンス | 働く上でのルールや日本の生活習慣について、母国語で説明。 |
出入国時の送迎 | 空港への出迎えや、帰国時の見送り。 |
住居の確保・契約支援 | アパートの賃貸契約や、電気・ガス・水道・携帯電話などの契約をサポート。 |
生活オリエンテーション | 役所での手続き、銀行口座の開設、交通ルール、ゴミの出し方などをレクチャー。 |
日本語学習の機会提供 | 日本語教室の情報提供や、学習教材の案内。 |
相談・苦情への対応 | 仕事や生活の悩みについて、母国語で相談できる体制を整備。 |
定期的な面談 | 労働者と企業の担当者と定期的に面談し、問題の早期発見・解決に努める。 |
MWO申請自体を代行することはできませんが、専門知識を持つ登録支援機関に相談しながら進めることで、企業の負担を大幅に軽減できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. MWO申請は、自分たち(受け入れ企業)だけでできますか?
A1. はい、企業が直接申請することは可能です。しかし、手続きが非常に複雑で、すべての書類を英語で準備する必要があるため、専門知識が求められます。多くの企業は、送り出し機関や行政書士、登録支援機関と連携しながら進めています。
Q2. MWOの審査では、特に何を見られますか?
A2. 最も厳しく見られるのは「雇用条件」です。特に、給与が同じ業務に従事する日本人従業員と同等以上であること、不当に高額な費用を労働者に負担させていないことなどが重点的にチェックされます。
Q3. 申請してから承認まで、どのくらいの期間がかかりますか?
A3. 書類の不備がない場合でも、通常1ヶ月以上かかることが多いです。書類の修正指示や面接が入ると、さらに期間が延びる可能性があります。スケジュールには十分に余裕を持って進めましょう。
まとめ
今回は、フィリピン人材採用の鍵となるMWO申請について解説しました。
最後に、重要なポイントを3つにまとめます。
- MWO申請は、フィリピン人材と企業の未来を守るための「大切な約束」である。
- 手続きは「①パートナー探し → ②日本での認証 → ③MWOへ申請」の3ステップで進める。
- 手続きが複雑なため、一人で抱え込まず、送り出し期間や登録支援機関などの専門家の力を借りるのが成功への近道。
MWO申請は、確かに手間と時間がかかるプロセスです。しかし、この手続きを一つひとつ丁寧にクリアしていくことが、優秀で誠実なフィリピン人材との出会い、そして彼らが日本で安心して長く活躍してくれるための盤石な土台となります。
この記事が、あなたの会社の採用活動の一助となれば幸いです。