12分野の受入れ見込数(5年間の最大値)の合計:345,150人の充足率

2023.11.22
みなさまこんにちは。
今日取り上げるのは、特定技能外国人の12分野の受入れ見込数(5年間の最大値)の合計:345,150人の充足率です。

以下の表は、特定技能在留外国人数 (令和5年6月末現在)から計算しています。
詳しくは下記をご確認ください。

特定技能在留外国人数 (令和5年6月末現在)

制度の運用開始から3年4か月が経過したところ、コロナ禍という特異な状況が経済情勢の変化を生じさせ、全12分野において受入れ見込数と実態の乖離が進んでいることを受け、全体の見込数を変更しない範囲で、受入れ見込数(令和6年3月までの上限)の再精査を実施したようです。
見直し後の受入れ見込数が現在の見込数となります。

飲食料品製造業の人数が最初の予定の2.5倍もの特定技能外国人を受入れ見込数に変更された部分と、宿泊業は人手不足と言われているのに、どうして特定技能外国人の受入が進まないのかに注目したいと思います。
 
担当省庁 分野 受入れ見込数
(5年間の最大値)
見直し後の受入れ見込数 特定産業分野・業務区分別
特定技能1号在留外国人数
(令和5年6月末現在)
充足率
厚労省 介護 60,000人 50,900人 21,915人 43.1%
ビルクリーニング 37,000人 20,000人 2,728人 13.6%
経産省 素形材産業 21,500人 49,750人 35,641人 71.6%
産業機械製造業 5,250人
電気・電子情報
関連産業
4,700人
製造合計 31,450人
国交省 建設 40,000人 34,000人 18,429人 54.2%
造船・舶用工業 13,000人 11,000人 6,377人 58.0%
自動車整備 7,000人 6,500人 2,210人 34.0%
航空 2,200人 1,300人 342人 26.3%
宿泊 22,000人 11,200人 293人 2.6%
農水省 農業 36,500人 36,500人 20,882人 57.2%
漁業 9,000人 6,300人 2,148人 34.1%
飲食料品製造業 34,000人 87,200人 53,282人 61.1%
外食業 53,000人 30,500人 8,842人 29.0%
合計 345,150人 345,150人 173,089人 50.1%

まず、飲食料品製造業について現場の声として思うのは、各分野で「大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することとならないようにするために必要な措置」があるにも関わらず、どうしても都市集中が起きてるという現実です。

福島県内での飲食料品製造業求人が少ないというのもありますが、埼玉県4384人千葉県4297人茨城県3063人と、関東地方に多くの特定技能外国人が就労しているということがわかります。福島県は305人です。
※上のリンクにある特定技能在留外国人数 (令和5年6月末現在)の資料をご参照ください。

コロナ禍という経済情勢の変化による見直しがあったことで、見込数が2.5倍に変更されている点も気になります。
実際に、外国人の転職相談を受ける際、食品製造の技能試験を受けて、分野変更し食品製造の仕事をしたいという希望を多く受けます。
残業があったり、外国人向けの福利厚生がある、日本語のスキルがそれほど求められないなど、確かに働きやすい環境が準備されている印象があり、外国人に人気なのがわかります。

この特定技能在留外国人数は令和5年6月末現在の情報の為、飲食料品製造業の充足率は61.1%ですが、私の感覚ではすでに80%近くになっているのではないかというくらい、本当に人気の分野です。

宿泊業はインバウンド対応強化に向けて雇用を検討する動きはあったものの、実際のところは母国語に加え英語等複数の言語のスキルを期待していたり、そもそも接客業なので高い日本語スキルが求められるため、なかなか進まないのが現実でしょう。

よく相談を受ける内容としては、宿泊業はお客様の込み合う時間が朝方と夕方に集中するため、拘束時間の部分で問題が起きやすいことと、 集客状況が安定しないために正社員で雇用する必要がある特定技能は、なかなか難しい部分があると感じます。
留学生は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就労するケースも多いため、この分野の充足率が進まないと考えられます。
それにしても2.6%は低すぎる感じがしますね。

弊社では、特定技能外国人の相談をお受けしておりますので、そういった社会情勢も踏まえたご相談もお気軽にお声掛けくださいね。


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